会社には 2 種類の「 黒字 」がある

前回は、「黒字倒産」について記事にまとめました。 試算表や決算書で黒字 だからと言って決して安心できないことはお分かりいただけたでしょうか? 実は「黒字」という言葉を考える時に、2 種類の「黒字」があり、もう一つの「黒字」を意識することが大切なのです。

黒字と赤字イメージ

■損益計算の黒字

毎月の試算表や決算書の損益計算がプラスになることを「損益計算の黒字」と言います。一般的に黒字と言えばこのことを指します。

売上高から始まり、仕入などの売上原価や経費を引いて・・・という損益計算書を上から見ていき利益がプラスかどうかで判断できますね。

厳密には当期利益が黒字でも経常利益は赤字とか、経常利益は黒字でも営業利益は赤字というように、 5 つある利益のどこを見るかで意味合いも変わってきますが、一般的に浸透しているのは「損益計算の黒字」の考え方です。

しかし、これだけを見ていては黒字倒産という事態に繋がることもあり経営判断の上では不完全ということになります。

■ キャッシュフローの黒字

キャッシュフローの黒字イメージ

もう一つは「キャッシュフローの黒字」です。キャッシュフローという言葉は聞いたことがあると思いますが、現金の流れを意味します。つまり、得られた収入(キャッシュイン)から全ての支出(キャッシュアウト)を差し引いた残りがプラスになる状態を「キャッシ ュフローの黒字」と呼びます。

黒字倒産は一時的な資金ショートにより起こります。単なる損益計算が黒字か赤字かだけでは判断できず、キャッシュフローが黒字か赤字かを常に意識することで手元資金の減少を食い止める対策を考えることができます。

■ 損益計算には表れない要素とは?

例えば、在庫として残っている仕入は売れない限り費用には計上されないため、損益計算上反映されませんが、仕入代金の支払いは先にするのでキャッシュアウトが発生しているわけです。

また、借入金の返済元金は損益計算書上の経費にはなりません。損益計算は黒字で利益が出ていても、その後返済する借入金が利益より大きければキャッシュフローとしては赤字と言えます。手元に現預金が潤沢にあれば問題ないでしょうが、それが続けば当然手元資金はどんどん減っていき、資金繰りに行き詰まるという事態が起こります。どちらが経営上重要かは言わずもがなですね。

また、減価償却費は損益計算書上経費科目として記載されますが、実際にキャッシュアウトが発生した訳ではありません。損益計算とキャッシュフローでギャップが生じる要素 になります。

損益計算上の黒字を目指すのはもちろん、キャッシュフローの黒字を目指すことが何よりも重要ということですね。そのためには、借入金返済額や減価償却費といった要素をしっかりと意識していくことが大切です。

まとめ

・黒字には「損益計算の黒字」と「キャッシュフローの黒字」の2 種類ある。
・黒字倒産にならないために目指すべきなのは「キャッシュフローの黒字」である。

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